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まんま!!
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ボツ作品をお蔵行き無くしちゃったんでここで。


最初の4行と最後の「筋肉は世界を救う」だけ決めてシリアス目指したら失敗(汗)
危険な賭けはしないほうがいいんですね~(汗)





 人は見た目で判断する。
 それが本当は違うものだとしても、見た目が本物のようならば、疑いもしない。
 どれだけ大切に思っているものがあったとしても、それは形だけを見たもの。
 中身がわからなければ、それは本当に大切なものかどうかすらも、わからないというのに――



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大切な何かに気付くため


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「い、いってぇーーっ!」
 急に部屋の窓から外に出て走っていた真人が叫んだ。
 見ると、そこには大きな筋肉の塊が転がっていた。
「いてぇ、いてえぇぇーー!」
「……ど、どうしたの!?」
「あ、足吊っちまった……」
「そんな筋肉筋肉言ってるからだよ」
「なんだとぉ? 俺の筋肉がいつつ……」
「一体何時間走ってたのさ? ボクが起きる前から走ってたよね?」
「に、2時からだ……」
「……は?」
 今は午前10時。そして真人が走り出したのは午前2時。つまり、8時間もの間走っていたことになる。
「その間水分補給は?」
「汗を、飲んでたぜ……はは、さわやかにしょっぱかったぜ、いつつ……」
「……あぁ、そう。他には?」
「唾を……」
「他は?」
「あくびからでる涙を……」
「もう良いよ、真人」
 要するに水分補給はしていないと言うことだ。
「とりあえず、入りなよ」
「おう、って動けねぇんだが……」
「頑張って起きなよ」
「り、理樹、手を貸してくれ……」
「仕方ないなぁ」
 宿題をしている手を止め、ボクは椅子から降りた。
 それから外に出て、真人に手を差し出す。
「ほら、捕まって」
「あ、あぁ、すまねえな」
「うん、いいよ、これぐらい」
 ぺちゃりっと真人の手がボクの手に触れる。
「……ごめん、やっぱ無理」
「は?」
 パッと真人の手を振り払う。
「なんでだよっ!」
「だって、真人の手、ベタベタだし」
「いいじゃねえかよ別に!」
「いいけど、ボクは嫌だ。これから半日間真人のベッタベタの汗のこびりついた手でご飯食べたりするなんてごめんだよ。」
「理樹! お前は俺を見捨てるのか! このさわやかな汗にまみれた俺を見捨てるというのか! 理樹ぃぃ!」
 そういった真人は顔を手を覆った。
「……うぉ、くっせーーーっ!!!」
 真人は驚いて顔から手を離した。
「なんだよこの臭さは……」
「ね、触りたくないでしょ?」
「あぁ、これだけ臭かったら俺でも無理だぜ、悪かったな、理樹、こんな臭い奴に手を貸させようとしちまって」
「うん、いいよ、わかってくれれば」
 でも真人、それは自分で自分を傷つけてるようなものなんだよ……。
「だが、これからどうするか……」
「足が吊ってるんなら、逆立ちで入ってくれば?」
「おぉ、そうか、その手があったかっ!」
 さっそく真人は逆立ちをする。
「よし、行くぜっ! 理樹!」
「うん、頑張って!」
 真人は逆立ちのままどんどん部屋の窓に近づいてくる。
 だけど、そこでボクは気付いてしまった。
「まった、やっぱやめて」
「は?」
 ゲシッとボクは足で真人を蹴り返した。
「いつつ、何すんだよ理樹!」
「ごめん、だって、真人、そのまま入ったら部屋に汗の匂いがつくよ」
「いいだろそれぐらい! ファヴリーヅ使えよ! ファヴリーヅ!」
「そんなことしたら、真人の匂いが消えちゃうよっ!」
「そ、そうか、そうだったか、じゃあダメだな……」
「でしょ」
 真人、それは真人の匂いは汗の匂いであって、真人の匂いは臭いってことなんだよ……?
「じゃあ、じゃあ俺はどうすれば……」
「そうだ、真人、脱水症で吊ったんだから水があればきっと大丈夫だよっ!」
「そ、そうかっ! よし理樹、もって来てくれ!」
「わかったっ!」





「おまたせっ!」
 ボクはバケツいっぱいの水を真人に手渡した。
 そう、手渡したんだ。手渡したと言う事は、勿論、『手が触れ合った』わけで……。ペチャリという感覚があったわけで。
「うわぁっ! 真人、触れないでよ!」
「おぉ、わりぃ、理樹」
「まったく、汚いなぁ」
 そう言ってボクはバケツの水で手を洗う。
「うぉぉぉ、理樹ぃぃぃ! 何してんだ!」
「何って、手を洗ってるんだけど」
「それじゃあ俺が飲めないだろ!」
「走ってる時だって汗飲んでたんだから平気でしょ?」
「……はっ!! そうだったぁ! おぇぇぇ……吐き気が……」
 真人が地面に向かって吐き気を催している。
「ほら、飲んで」
「いや、飲めねぇ……」
「それじゃあまたボクが汲んで来いって言うの? 面倒くさいなぁ」
「すまねえな」
「あぁ~、でも面倒くさいなぁ……このバケツ重たいし」
「頼むぜ理樹」
「ん~、あ、そうだ、真人、そのバケツ貸して」
「ん、あ、あぁ」
 ボクは真人のバケツを受け取り、そして――。

 真人にバケツの水をぶっかけた。

「うぉぉぉっぷっ! り、理樹、何しやがる!」
「ほら、これで水分補給できたし、おまけに体も洗えて一石二鳥じゃないか」
「おぉ、それもそうだな、さすがは理樹だぜ」
「まぁね」
「さて、そんじゃ体も洗えたことだし、入っていいか?」
「まさか、そんなびしょぬれで入ってくる気?」
「なんだ、わりぃか?」
「悪すぎだよっ! ボクをなんだと思ってるんだよ! びしょぬれの女の子を入れる趣味はあっても、びしょぬれの筋肉マンを入れる趣味はないんだ!」
「そんな理樹! 非道いぜ! 濡れた筋肉もまたいいものだぜ!?」
 真人は捨てられた犬のような目でボクを見ている。
「ボクはそんなに筋肉好きじゃないんだ」
「うぉぉぉーー!! そんなぁぁーーー!!」
 真人は足に負担がかからないようにしながら地面を右へ左へ転がっている。
「さて、そろそろいいか」
「うぉぉぉぉーー、理樹ーーー!!」
「真人、これくらいも見破れないんじゃ、お前もまだまだ理樹を知らないままだな」
 ボクは少し白みがかった色の肌を引き裂いた。
「な、理樹! 何してやがるっ……ってあれ? 恭介じゃねえか」
「よぉ」
「あれ!? 理樹は!?」
「お前もバカだよな、このくらいの変装も見破れないなんてよ」
「なにぃぃぃーー!?」
「真人って、結構恐いんだね……」
 ベッドの下から理樹が出てくる。
「はは、そうだな、こんなやつが一緒の部屋に住んでると恐いな。だけど見ただろ? 真人(こいつ)の反応」
「うん、確かに凄かったね」
 俺達は盛大に笑った。
「理樹……お前まで俺をだましたのか!」
 真人の顔は見えない、だが声は相当に怒っている。
「あ、ご、ごめん、そんなつもりじゃ……」
 それに感付いてか、理樹が咄嗟に謝った。
「理樹……」
「ま、真人、べ、別に悪気があってやったわけじゃ――」
「ありがとよっ!!!」
「「は?」」
 真人が俺を跳ね除け、理樹に抱きつく。
「ありがとよ理樹! 俺にお前のことがわかってないと気付かせてくれて!!」
「ちょ、真人、何言って――」
「これからはずっとお前のそばにいるからなぁ!!」
「えぇ!? やめてーーーー!!」
 理樹がどれだけ嫌がっても、真人は理樹を離さなかった。それだけ、理樹の大切さがわかったということだろう。
 俺じゃなくて良かった。俺は心からそう思う。

 それからと言うもの、真人はどんな時でも、理樹のそばにいるようになった。でも理樹はそれを嫌がりながらも、楽しそうに笑っていた。


 筋肉は世界を救う。
 それはあながち間違いではないのかもしれない。
 筋肉のある奴に悪い奴はいない。ただ、見た目が恐いと言うだけで、案外そう言う奴は良い奴で、面白かったりする。
 俺達はまた、真人にそれを気付かされたのかもしれない。
 なら真人、俺達に気付かせてくれたように、お前達筋肉マンはみんな良い奴だってこと、皆に証明してみせろ。それがお前に課せられたミッションだ……。
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